2022年3月24日
その他下水つまりはどうして起きる?原因と対処法について
家庭内の下水が流れていく下水ですが、ある日突然つまりを起こしてしまうことも。
日常生活を何気なく過ごしているだけでも些細なことでつまりを起こしてしまったり、日々の積み重ねで徐々につまったりと原因は様々です。
そこで、本記事では下水のつまりがどのようにして起こるのか、つまりはどうしたら解消できるのかに焦点を当てていきます。
目次
そもそも下水管とは
下水管とは排水設備のどの部分を指すのでしょうか。
一般的に家庭から排出された汚水は、排水管を流れ屋外にある排水マスを通ります。
その後、公共マスを通過して、下水道本管に繋がる取付管を通り、下水道本管へと流れていきます。
一般的に下水管は自治体が管理している部分を指しますが、個人が管理する排水設備の排水管までを含めて下水管と呼ぶ人も多いです。
場所別!下水つまりの原因
下水つまりと言っても原因は様々で、家の中でも特定の場所でつまりが起きていることがほとんど。
トイレやキッチン、お風呂場の水の流れが悪く、ストレスを感じたことのある方も多いことでしょう。
ここからは、場所別につまりのよくある原因について紹介していきます。
トイレつまりの原因
毎日使う場所でつまりが起きやすい場所の筆頭にトイレがあります。
トイレは特に使えなくなってしまうと困る場所で、キッチンやお風呂場と違い、特定の時間使えれば良いというものではありません。
トイレが万が一つまってしまった場合、どこかで借りるというのも難しく、仮に便意を感じてから外出する場合も精神的に辛いものがあります。
トイレをつまらせないためにも原因を知っておきましょう。
大量のトイレットペーパー
よくある下水つまりの原因が大量のトイレットペーパーを流してしまうパターンです。
そのつもりは無くても、ちょっとしたことが原因でトイレットペーパーを使いすぎてしまうこともしばしば。
その性質上、水に溶けるので必ずしもつまりの原因になる訳ではありませんが、できるだけ使用量を抑えた方がよいでしょう。
間違った節水
意識的に節水をしている方も多いかもしれませんが、トイレでの節水はつまりの原因となってしまうことが多いです。
強く押し流すことでつまりは起きにくくなるのですが、節水を意識的に行っていると押し流す力が弱くなってしまい、つまりが起きやすくなります。
大量にトイレットペーパーを使った訳でもないのにつまりが起きてしまったという場合は無理な節水が原因であることが多いです。
節水のためにトイレタンク内にペットボトル等を入れて水位を調整している家庭も散見されますが、つまりの原因となるので控えた方がよいでしょう。
異物・固形物
水に溶けない異物・固形物を流してしまった場合にもつまりは起きてしまいます。
小さなものであっても下水管・排水管の構造によっては簡単につまりを起こしてしまいます。
「小さいから大丈夫」と思わずに、水に溶けないものを流してしまった場合には回収するようにしましょう。
キッチンつまりの原因
キッチンも毎日使う場所で、特にご家族で暮らしている場合はトイレよりも使用頻度が高いこともあります。
そんなキッチンがつまりを起こしてしまうと洗い物が大変になってしまうほか、下水からの異臭の原因にも。
食材を扱う場所だからこそ、できるだけ綺麗にして過ごせるよう以下にあるつまりの原因には注意するようにしましょう。
油脂
植物性、動物性に関わらず油はつまりの原因になります。
水と一緒に流れてくれそうなものですが、流れ切らずに残った油は冷えると固まってしまうためです。
何気なく流してしまいがちですが、できるだけ流さないように日頃から気をつけましょう。
食べカス・石鹸カス
食べカスや石鹸カスもつまりの原因です。
これらが油と混ざり合うと雑菌が発生し、ぬめりを引き起こすので、より頑固なつまりの原因になってしまいます。
お風呂・洗面所つまりの原因
お風呂や洗面所でもつまりは簡単に起きてしまいます。
つまりが起きてそれほど困る場所ではなくても毎日使う場所には変わりありません。
日々の生活でストレスを感じてしまわないためにも以下の原因には気をつけるようにしましょう。
髪の毛・体毛
お風呂や洗面所の代表的なつまりの原因が髪の毛と体毛です。
生きている中で仕方がないとはいえ、下水に流してしまうと日に日に堆積していき、つまりを引き起こしてしまいます。
特に、髪の毛の長い人がいる場合はつまりを引き起こしてしまう可能性がぐんと高くなってしまうので、つまりを感じたら早めに対処しましょう。
石鹸カス
石鹸カスが先述した髪の毛などに絡まると白いヘドロのようになり水の流れをせき止めてしまいます。
そのままにしておくと日に日に大きくなっていくので、早めの対処が重要です。
皮脂
頭や体を洗っているとどうしても皮脂が下水へ流れてしまいますが、皮脂もまた、髪の毛と絡み合ってつまりの原因になります。
皮脂が髪の毛と絡まると雑菌が繁殖しぬめりの原因にも。
日頃から水の流れが悪くなっていないか確認するようにしましょう。
建物が一戸建てかマンションかでも違う
下水管・排水管がつまってしまうと、下水が逆流してしまう事態になることがあります。
しかし、同じような使い方でも、つまりが起こりやすい排水管と起こりにくい排水管の構造があるため、注意が必要です。
マンションなどの集合住宅では、各階から排出された下水をまとめて下に流す縦管が設置されています。
マンションでは排水管全体を見たときに縦管の部分が長く、下水が上から下へ勢いよく流れていく構造になっています。
そのため、汚れが排水管内部に付着したり蓄積したりしづらく、つまりも起きにくい構造です。
一方で、建物の高さが低い一戸建てでは、横方向の排水管である横管が占める割合が自然と大きくなります。
横菅は緩やかな勾配のため汚れが堆積しやすく、つまりを起こしやすい構造とも言えます。
自然災害によるつまり
台風や大雨により大量の土砂がマンホールに流れ込む事態になると、汚水によって下水つまりが起こることがあります。
家庭などから排水された水は最終的にマンホールに流れて行くのですが、そこに土砂が溜まっていると流れずに押し戻されてしまいます。
こういった場合では、つまりが起きるだけでなく家の排水口から逆流するトラブルが起きてしまう危険性も。
このような場合は、特に対策できることはないので、できるだけ水の使用を避け、事態の収束を待つしかありません。
下水つまりを自分で対処する方法
下水つまりの原因について紹介してきましたが、下水つまりを自分で対処する方法も知っておくと万が一の時も安心でしょう。
ここからは、自宅でもできるつまり解消法について紹介していきます。
ラバーカップ(すっぽん)を使う
トイレなどで使うイメージの強いラバーカップ(すっぽん)ですが、台所でも使用することができます。
しかし、衛生上トイレのラバーカップをキッチンで使うのは良くないので、キッチンの排水口向けに販売されているラバーカップを購入しましょう。
また、ラバーカップを持っている方でも間違った使い方をしている方も見受けられるので、ここでは確認としても正しい使い方を紹介します。
1.排水トラップを取り外す(キッチンの場合)
2.排水口を塞ぐようにラバーカップを密着させる
3.密着させた状態でゆっくりラバーカップを押し込み、一気に持ち上げる
4.3を繰り返す
5.水が流れるか確認する
やり方を知っていれば、女性や子どもでも簡単につまりを解消できるのでやってみてください。
真空式パイプクリーナーを使う
ラバーカップよりも簡単かつ強力なつまりの解消道具として真空式パイプクリーナーというものもあります。
業者専用の道具のように思われますが、現在はホームセンターやネットショップなどで誰でも購入可能です。
力もそれほど必要ないので力仕事の苦手な人にもおすすめ。
基本的な使い方はラバーカップ同じなので省略しますが、大きな違いは真空式パイプクリーナーの方が楽に使用できることです。
ただし、つまりが排水管の奥の方で起こっている場合は効果が薄いため、その場合は後ほど紹介するワイヤーブラシを試してみてください。
液体パイプクリーナー使う
軽度のつまりの場合に限りますが、市販の液体パイプクリーナーでつまりを改善することができます。
液体パイプクリーナーは、種類によって濃度があり、つまりの解消には2%以上、定期的な掃除には1%以上のものを推奨します。
液体パイプクリーナーを使う手順は以下の通りです。
1.排水口にフタや部品がついている場合はすべて外す
2.排水口に直接パイプクリーナーを流し込み、所定の時間放置する
3.水で洗い流す
基本的な使い方は上記の通りですが、基本的には商品説明をよく読んで使用するようにしてください。
ワイヤーブラシを使う
排水管の奥の方でつまりが起こっている場合は、ワイヤーブラシを使うことでつまりを解消できる可能性があります。
ワイヤーブラシも現在はホームセンターやネットショップで購入することができるので、確認してみてください。
先端のブラシの形状やワイヤーの長さは製品やメーカーによって様々なので、自宅に合ったものを購入しましょう。
ワイヤーブラシの使い方は以下の通りです。
1.排水トラップもしくは、シンク下の配管を取り外す
2.排水管の中にワイヤーブラシの金具がついた方を入れる
3.つまりの原因に穴を空けるようにワイヤーブラシを押し込む
4. 外したものを元に戻し、水が流れるか確認する
上記のようにすることで、下水管・排水管奥のつまりは、ワイヤーブラシを使うことで解消できます。
ただし、ワイヤーブラシの扱いは難しく、配管を傷つけてしまうリスクもあります。
難しいと感じたら無理はせず、水道修理業者に依頼しましょう。
下水つまりの予防法について
下水つまりの対処法について紹介してきましたが、そもそも下水つまりは起こさないことがベスト。
万が一に備えて対処法を知っておくことは大切ですが、予防法を知り、日々実践することは更に重要です。
そこで、ここからは下水つまりの予防法について紹介していきます。
トイレのつまり予防
トイレのつまりは、日常生活の中でトイレットペーパーと水の流す量に気をつけていれば、それだけでもつまり予防になります。
無理な節水をしなければ、他の不調がない限りトイレは正しく使うだけでつまることはまずありません。
清潔に保つために定期的に掃除をし、水の流れが悪くなっていないかに気をつけるようにしましょう。
キッチンのつまり予防
キッチンでは、つまりの最たる原因である油を流さないことが一番の予防になります。
食器に付いた油は新聞紙などで拭き取り、油の量が多い場合は新聞紙を牛乳パックやポリ袋に入れて、そこに冷ました油を流して可燃ごみとして捨てましょう。
また、定期メンテナンスに液体パイプクリーナーを使用するのがおすすめです。
液体パイプクリーナーはつまってからではなく、つまるより前に使うようにしましょう。
液体パイプクリーナーを使用して常に汚れを落としておけば、つまりを予防することができます。
お風呂・洗面所のつまり予防
お風呂・洗面所のつまり予防としてヘアキャッチャーの設置がおすすめです。
ヘアキャッチャーは髪の毛をはじめとする異物が排水口に流れ込まないようにするもので、見かけたことがある人も多いでしょう。
このヘアキャッチャーは下水つまりの予防に役立ちますが、掃除せず汚れたままにしていると、つまりが引き起こされてしまいます。
しかし、これは下水ではなく排水口で起きているつまりなので、対処は簡単でヘアキャッチャーを掃除するだけです。
定期的に掃除を行い、つまりを予防しましょう。
まとめ
本記事では下水つまりの原因や対処法、予防法について紹介してきました。
毎日使う場所でつまりが起きてしまうと不便に感じることも多く、衛生的にも良くありません。
日頃から些細な変化にも目を向けて大ごとになる前に対処と予防を心がけるようにしましょう。
しかし、気をつけてはいても水まわりのトラブルは起きてしまうもの。
困った時はプロに依頼して直してもらうのも1つの方法です。
無理に自分で直すよりも確実なので、業者に依頼することも視野に入れておくと良いかもしれません。