2022年3月31日
その他自分でできる!排水管を簡単に掃除する方法とは?
排水管のトラブルは起きていませんか?
ついつい後回しにしてしまいがちな排水管のお掃除。
長い間放置していると、様々なトラブルの原因となってしまいます。
今回は、排水管の掃除が必要な理由、排水管が汚れる原因、掃除方法、詰まった時の対処法などをご紹介します。
目次
排水管の掃除はなぜ必要?
キッチンや風呂場、トイレなど、水回りのお手入れを定期的にしている方は多いと思いますが、それぞれの排水管まで掃除していますか?
排水管の掃除を怠り、排水管の汚れを放置していると以下のようなことが起こります。
・排水口から悪臭が漂う
・排水管が詰まり、排水口から水が溢れてしまう
・排水管から水が漏れる
排水管に汚れがたまっていると、嫌なニオイやつまりの原因になります。
また、排水管が詰まると、排水口から水が溢れたり、排水管から水が漏れたりする原因となる可能性も。
見落としがちな排水管掃除ですが、定期的にお手入れをすることでこのようなトラブルを防ぐことができます。
悪臭や水回りのトラブルを回避して、快適な暮らしを送りましょう。
掃除が必要な排水管
水道管は2種類に分かれており、掃除が必要な「雑排水管」(ざっぱいすいかん)と、掃除がいらない「汚水排水管」があります。
「雑排水管」は、雑排水を処理する配管のことです。
雑排水とは、台所・浴室・洗面所・洗濯などで生じた生活排水を指します。
雑排水管は、キッチンから流れた料理油が冷えて固まったり、お風呂の排水口から流れた髪の毛が絡みついたりなど、配管内に汚れが付着してしまうことがあるので定期的な掃除が必要です。
「汚水排水管」は、トイレから流れる排水を処理する排水管のことです。
汚水排水管は、雑排水管に比べて太く作られており、自分で掃除する必要はほとんどありません。
排水管が汚れる原因は?
排水管が汚れる原因は、設置場所によって異なります。
それぞれの排水に含まれるどのような物が、汚れの原因となるのでしょうか。
台所、洗面台・浴室、洗濯機の排水管の汚れの原因、またそれぞれの汚れを防ぐ方法も紹介します。
台所
料理をしたり食器を洗ったりする台所では、料理で使った油、食べ物のカス、食器洗いに使った食器用洗剤などが排水に含まれています。
排水管内で油が冷えて固まってしまうと、そこに食べ物のカスやホコリなどが付着して、汚れの塊となってしまいます。
排水管が詰まる原因となりやすい油は、極力排水口に流さないようにするのがおすすめです。
以下のように工夫して、排水口から流す油の量を最小限に抑えましょう。
油の処理は、料理直後ではなく油が冷めてから行ってください。
1 食器やフライパンなどを洗う前に、キッチンペーパーや新聞紙で油を拭き取る
2 天ぷらなどで使用した油は、牛乳パックやポリ袋に移して捨てる
牛乳パックやポリ袋に入れる時には、自然発火による事故を防ぐために、濡らしたキッチンペーパーや新聞紙を入れてから油を入れるようにしましょう。
油を入れたら、牛乳パックのフタをガムテープでしっかり塞いだり、ポリ袋を二重にしたりして油が漏れないよう厳重に封をしてください。
処理した油は、「燃えるごみ」または「資源ごみ」として早めに捨ててください。
特に夏場は、容器の中の油の温度が上昇して自然発火する恐れがあるので、長時間放置するのは避けましょう。
食べ物のカスは、食器用洗剤(中性洗剤)で十分に落とせます。
油汚れ・食器用洗剤による汚れは、アルカリ性の洗剤と重曹がおすすめです。
洗面台・浴室
顔や手を洗ったり、頭や体を洗ったりする洗面所と浴室は、肌の汚れ、皮脂、石鹸やクレンジング、髪の毛などが排水に含まれています。
皮脂やクレンジングなどの油分と髪の毛が、排水管内で絡まってしまうとつまりの原因となります。
また、詰替え用のシャンプーやリンスの切れ端、カミソリの刃、歯磨き粉のキャップ、ヘアピンなどの固形物が配管内に流れてしまうのも、排水管が詰まる原因に。
お風呂場の排水管が汚れるのを防ぐためには、髪の毛や小さな固形物を流さないよう工夫したり注意したりすることが大切です。
排水口のゴミ受けのところにヘアキャッチャーをセットして、大量の髪の毛が排水管に流れてしまうのを防ぎましょう。
ヘアキャッチャーに溜まった髪の毛は、こまめに取り除くようにすると、より安心です。
小さな固形物は、排水管に流れてしまわないように十分注意を払い、万が一流してしまった場合は、放置せずにすぐに取り出すようにしましょう。
皮脂や石鹸などはどうしても排水管内に流れ込んでしまうので、こまめに掃除するように心がけましょう。
皮脂はアルカリ性の洗剤・重曹、石鹸などの洗剤は酸性のパイプ洗浄液・重曹を使って洗浄すると、汚れを落とすことができます。
洗濯機
洗濯機の排水管を流れる排水には、洗剤、衣類の糸くずや綿ぼこり、洗濯物についていた皮脂や泥汚れ、髪の毛などが含まれています。
洗濯機の排水管の汚れを防ぐには、糸くずフィルター(ごみ取りネット)、洗剤を入れるところ、排水口などをこまめに綺麗にするようにしましょう。
洗濯機についている糸くずフィルター(ごみ取りネット)は、衣類から出る糸くずやホコリを集める役割を果たします。
糸くずフィルターに溜まったゴミを放置していると、雑菌が繁殖したり、ゴミが逆流したりしてしまうため、こまめに取り除くようにしましょう。
洗剤や柔軟剤の投入口には、洗剤のカスなどが溜まりやすいです。
塊となった洗剤カスが排水口に流れてしまうと、排水管が汚れる原因となるので、洗濯機についている洗剤カスは見つけたらとるようにしましょう。
排水口は排水管に直結している部分。
排水口の汚れを放置していると、排水管にゴミや汚れが流れてしまうだけでなく、雑菌が繁殖して悪臭の原因にもなってしまいます。
洗面台・浴室の排水管掃除と同様、皮脂はアルカリ性の洗剤・重曹、石鹸などの洗剤は酸性のパイプ洗浄液・重曹を使って洗浄するのがおすすめです。
定期的に排水管を掃除しよう
排水管の詰まりを防ぐためには、定期的な掃除が大切。
排水管の掃除は、基本お湯や液体を流すだけなので簡単です。
そこで、排水管の汚れを効果的に落とす2つの掃除方法をご紹介します。
排水口と排水管の構造を簡単に説明
慣れない水回りを掃除するには、あらかじめ構造をしっかりと知っておくことが大切です。
構造を理解しないまま掃除してしまうと、思いがけない故障に繋がる恐れがあります。
排水口のフタを開けると、ゴミ受けがあります。
ゴミ受けの役割は、大きな異物が排水管に流れてしまわないよう、ゴミをとどめて排水だけを流すことです。
ゴミ受けを外すと、排水トラップが設置されています。
設置されている排水管の場所や家庭によって形状はさまざまですが、多くの家庭のキッチンでは、トラップ内部に水が溜まる仕組みとなっています。
排水トラップの役割は、水をためて排水管からの空気の通り道を塞ぐことで、下水の悪臭やネズミ・害虫などが上に上がってくるのを防ぐことです。
排水トラップを外すと、排水管が見えます。
排水は、排水管を通って下水道へと流れていきます。
はじめに排水口を掃除する
排水管を掃除する時は、排水口もまとめて綺麗にしましょう。
1 ゴミ受け、フィルター、ネットなどに溜まっているゴミを捨てます。
2 排水口のフタ、ゴミ受け、トラップなどの部品を外して、洗剤をつけて歯ブラシやスポンジで擦りながら綺麗にします。
3 最後に50度前後のお湯で洗い流して、部品を元に戻したら終了です。お湯で洗い流すことで、殺菌効果や油汚れの予防に繋がります。
排水管内の汚れは、排水口から流れ込んでくるゴミや汚れがほとんどです。
そのため排水管の詰まりを防ぐコツとして、排水口をこまめに掃除して綺麗にしておくことはとても大切。
せめて、ゴミ受けやフィルターのゴミは毎日捨てるようにして、ゴミが溜まらないようにしましょう。
方法1:市販のパイプクリーナーを使う
一般的な排水管の掃除方法として、市販のパイプクリーナを使った掃除は有名ですよね。
パイプクリーナーの効果をより得るためには、温めて使うのがおすすめです。
1 50度前後のお湯の中にパイプクリーナーのボトルを浸からせて、液体を温めます。ボトルの中にお湯が入らないよう、しっかりとキャップを閉めましょう。
2 排水管の中に適量のパイプクリーナーを流し、30分ほど放置します。
この放置している間に、排水口のフタなど分解した部品を洗っておくのがおすすめです。
1 30分経ったら、50度前後のお湯で洗い流します。
2 分解した部品を元に戻したら完了です。
最後、液体を洗い流す時は水でも大丈夫ですが、お湯で洗い流すとより効果的なのでおすすめ。
ただし、熱湯を注ぐことは避けましょう。
急激な温度変化は、排水管を破裂させてしまう恐れがあります。
50度前後のお湯を流すようにしてください。
パイプクリーナーによる洗浄の頻度は、月1程度を目安に行いましょう。
方法2:重曹とお酢を使う
小さなお子様がいるご家庭など、パイプクリーナーのような強力な洗剤を使うのが不安な方には、お湯、重曹、お酢(またはクエン酸)を使った掃除方法がおすすめです。
重曹、お酢は料理にも使えるので、安心して掃除できるでしょう。
1 排水口のフタ、ゴミ受け、トラップなど外せる部品を全て外します。
2 排水口にたっぷりと重曹をかけ、3分程度時間を置きます。
3 重曹の半分の量のお酢を排水口にふりまき、30分ほど放置します。
この放置している間に、排水口のフタなど分解した部品を洗っておくのがおすすめです。
1 30分経ったら、50度前後のお湯で綺麗に洗い流しましょう。
2 分解した部品を元に戻したら完了です。
アルカリ性の重曹と酸性のお酢が反応して泡が発生しますが、この泡が汚れを浮き上がらせて落ちやすくしてくれます。
掃除の頻度も、パイプクリーナーと同様1ヶ月に1回程度が目安です。
排水管が詰まってしまった時の対処法
忙しくて排水管の掃除が定期的にできない方や、ついつい掃除を忘れてしまった方などもいると思います。
また、いくら掃除をしていても、しっかりと汚れを落としきれていないことなどが原因で、排水管が詰まってしまうこともあります。
そこで、排水口が詰まってしまった時の対処法を4つご紹介します。
方法1:お湯を一気に流し込む
排水管が詰まってしまった時、用意する物が少なくて最も簡単な対処法は、お湯を一気に流し込むことです。
1 排水口のフタ、ゴミ受け、トラップなど外せる部品を全て外します。
2 50度前後のお湯を用意し、排水口から一気に流します。
3 お湯を流しきったら、分解した部品を綺麗に洗ってから元に戻しましょう。
排水口の掃除でも説明したように、お湯には殺菌効果と油汚れが付着するのを防ぐ効果が期待できます。
お湯を流す時に気をつけてほしいのは、大量のお湯を一気に流すこと、排水管に直接流すことです。
この方法では、水圧も利用してつまりや汚れを解消するため、大量のお湯を勢いよく流すことがとても大切。
蛇口からお湯を出すのであれば、栓やタオルで排水口にフタをして、お湯を溜めてから栓を外すようにしましょう。
また、なるべく排水管に直接お湯を流したいので、手順でも説明してある通り、排水トラップなどの外せる部品は外すようにして下さい。
方法2:ワイヤーブラシでつまりをとる
お湯を流してもつまりがとれなかった場合、ワイヤーブラシを使って直接つまりを解消させましょう。
1 排水口のフタ、ゴミ受け、トラップなど外せる部品を全て外します。
2 ワイヤーブラシを排水管に差し込みます。
排水管のカーブに合わせて角度を変えたり回転させたりしながら、奥まで挿入しましょう。
ブラシが進まなくなった箇所が、詰まっている部分です。
ワイヤーブラシが貫通するまで、回転させながらつまりを削りましょう。
3 最後に50度前後のお湯を流し、分解した部品を綺麗に洗ってから元に戻したら完了です。
排水管専用のワイヤーブラシは、ホームセンターなどで購入することができます。
ワイヤーブラシの長さや扱いやすさはそれぞれ異なるため、家庭の排水管の状態に合わせたものを選ぶようにしましょう。
方法3:スッポンで引っ張り出す
排水管のつまりを解消する手段として、スッポンを使う方法もあります。
スッポンは、油汚れによるつまりには有効的ですが、固形物のつまりにはあまり効果は期待できません。
1 排水口のフタ、ゴミ受け、トラップなど外せる部品を全て外します。
2 シンクに15cmほど水を張ります。
3 スッポンを排水口にゆっくりと押し付けて密着させたら、勢いよく上に引き上げます。
配管内の汚れや異物が取れるまで、何度か繰り返しましょう。
汚れや異物が取れたら、ビニール袋などにまとめて処分してください。
4 最後に50度前後のお湯を流し、分解した部品を綺麗に洗ってから元に戻したら完了です。
台所の排水口に使う時は、和式用のトイレで使われているスッポンと同じタイプの物が適しています。
カップの先端に突起がないスッポンを選んでください。
スッポンを使う時は、排水管の水が飛び散って周りを汚してしまう恐れがあるため、大きめのビニール袋を被せて行うなどの工夫をすると良いでしょう。
方法4:ペットボトルでスッポンの代用をする
スッポンの用意が難しい場合は、ペットボトルで代用することができます。
1 排水口のフタ、ゴミ受け、トラップなど外せる部品を全て外します。
2 空のペットボトルを排水口に差し込みます。
この時、隙間が出来ないように密着させましょう。
3 ペットボトルを排水口に密着させたまま、ペットボトルを押し潰して空気を送ります。
4 3の動作を10回程度繰り返したら、ペットボトルを一気に引き抜きます。
配管内の汚れや異物が取れるまで、何度か繰り返しましょう。
汚れや異物が取れたら、ビニール袋などにまとめて処分してください。
5 最後に50度前後のお湯を流し、分解した部品を綺麗に洗ってから元に戻したら完了です。
ペットボトルの大きさは500mlでも2Lでも問題ありません。
一度に大量の空気を送り込むためには2Lのペットボトルが望ましいですが、扱いにくいようであれば500mlのペットボトルを使用しましょう。
掃除をしてもつまりが治らない時は排水桝(はいすいます)の汚れが原因?
排水管の掃除をしてもつまりが治らない場合は、排水桝に原因があるかもしれません。
敷地内の建物の周りの地面に、マンホールのようなフタはありませんか?
これが排水枡です。
排水桝とは?
排水桝は、排水管の合流地点や排水管が詰まりやすいポイントに、点検口として設置されています。
排水桝には汚水桝(おすいます)、雨水桝(うすいます)、公共桝(こうきょうます)の3種類があり、今回掃除が必要なのは汚水桝です。
汚水桝は、トイレ、台所、浴室、洗面所などの汚水が流れる排水管に使用され、排水の流れをスムーズにする役割を果たします。
流れてきた排水のうち、油分を上に浮かせ、ゴミや汚れといった固形物を底に溜め込み、汚水だけが下水道に流れていくという仕組みです。
ちなみに、汚水桝内の上に設置されている排水管は家庭からの排水が流れてくる通路、下に設置されている排水管はろ過された汚水が下水道に流れていく通路。
排水と固形物が一緒に流れ込まないようにすることで、配管内のつまりを防ぐこともできます。
この汚水桝の汚れが溜まっていたり、詰まっていたりすると、排水管を掃除しても詰まりや悪臭は治りません。
汚水桝の掃除方法
汚水桝のつまりを防ぐためには、定期的な掃除が必要です。
排水桝が複数あり、どれが汚水桝かわからない場合は、排水桝の蓋を開けたままキッチンから水を流してみましょう。
水が流れてきた排水桝が、今回掃除をする汚水桝です。
1 マイナスドライバーを使って、汚水桝の蓋を開けます。
2 スコップなどを使って、汚水桝に浮いている油分、底に沈んでいるゴミや固形物を取り除き、ゴミ袋に捨てます。
3 上に設置されている排水管(家庭の排水が流れてくる通路)に、ホースを差し込みます。
4 隙間をタオルで埋めて勢いよく水を出します。排水管に水を行き渡らせましょう。
5 水が行き渡ったら、ホースとタオルを同時に外し、排水管に貯めた水を一気に放出させます。
6 さらに、キッチンからも50度前後のお湯を一気に流します。
7 再び汚水桝に油分やゴミが溜まったら、取り除いて捨てましょう。
8 ゴミを取り、蓋を元に戻したら完了です。
汚水桝の汚れが酷かったり、詰まってしまっていたりしたら、プロによる高圧洗浄を検討しましょう。
プロによる定期的な配管洗浄がおすすめ
排水管のトラブルを防ぐためには、こまめなゴミ処理や定期的な掃除などによるお手入れが大切です。
しかし、自分で気を付けていても水道管が詰まってしまうこともあります。
しっかり洗浄するためには、水道業者に配管洗浄を依頼するのもおすすめ。
プロの使う業者用高圧洗浄機は、家庭用の高圧洗浄機よりも強力な水圧で水を噴射して、排水管内の汚れやつまりを除去してくれます。
5年に1回程度の目安で、定期的にプロに依頼してみると良いでしょう。
また、慣れない水回りの掃除や修理を自分で行って、万が一排水管を破裂・故障させてしまった場合、修理費用が高額になってしまう最悪なケースも考えられます。
排水管のトラブルの原因が、汚れやつまりではなく「劣化」ということもあるので、不安な方や掃除してもつまりや悪臭が治らない場合には、プロに相談してみましょう。