2022年3月24日
その他水道管から音がする!?ウォーターハンマー現象の原因と対策方法
水道の蛇口を締めたときに「ドン」という鈍い衝撃音が聞こえることはありませんか?
思い当たる節があれば、ウォーターハンマー現象が発生している可能性が高いです。
ウォーターハンマー現象と呼ばれる理由は、この現象が発生するとまるで水道管をハンマーで叩いたかのような大きな音が響くため。
ウォーターハンマー現象を放置していると思わぬトラブルが引き起こされる危険性もあるため、対策をしなければなりません。
この記事では、ウォーターハンマー現象が発生する原因や放置することによって起こる可能性のあるトラブル、対策方法や修理費用について解説します。
目次
ウォーターハンマー現象が発生する原因
水撃作用とも呼ばれるウォーターハンマー現象は、ある原因によって発生します。
2つの主な原因について説明していきます。
水道管内の圧力の変化
ウォーターハンマー現象の原因の一つは、水道管内の圧力が急激に上昇することです。
シングルレバーの水栓を急に締めると流れる水が行き場を失い、水道管内に圧力がかかるため「ドン」という大きな音が出てしまいます。
反対にバルブを急に開いたときにも水道管内の圧力が変動するため、ウォーターハンマー現象が起こることがあります。
圧力の変動は、瞬間的に排水管や流れる水の上流または下流に伝わるのが特徴です。
10℃の水の場合、この圧力が伝わる速さは1秒間に1,425mに達します。
このことから、ウォーターハンマー現象が起きている水道管内部にはかなりの負担がかかっていることがわかりますね。
水柱分離
ウォーターハンマー現象のもう一つの原因は、水柱分離によるものです。
水の流れを急に止めたときに水が慣性力で流れ続けようとするのに対して、供給される水の流れが追い付かず、水道管内の圧力が急激に低下するためフラッシュ(蒸発)によって気層が生まれます。これが水柱分離です。
いくつかの箇所で連続して衝撃音が発生するのであれば、ある箇所で起こったウォーターハンマー現象によって複数の箇所に同じ現象が引き起こされ、配管内の水圧が不安定になっている証拠。
ウォーターハンマー現象によって発生する音は遠くまで伝わるのが早いため、使っている水道近くから離れた場所で異音が起こることもあります。
ウォーターハンマー現象が発生しやすい状況
ウォーターハンマー現象は蛇口のタイプやライフスタイル、建物の構造によって発生しやすさが変わります。
どんな状況のときにウォーターハンマー現象が発生しやすいのかを、確認してみましょう。
シングルレバーの水栓を使用している
レバーを上下または左右に動かして水を出す仕組みのシングルレバータイプの水栓を使用している場合は、ウォーターハンマー現象が発生しやすくなります。
回して水を止めるタイプの蛇口であれば、徐々に水の勢いを弱めながら止水することができますが、シングルレバーの水栓はレバーを上げ下げすることによって急激に水を止めてしまうので、ウォーターハンマー現象の原因になりやすいです。
全自動の家電を多く使用している
全自動洗濯機や食器洗い機といった家電製品の使用も、ウォーターハンマー現象の原因を引き起こしやすくなります。
全自動の家電製品も、水の勢いを急激に止めてしまうためです。
しかし、洗濯機を使わないわけにはいきませんし、せっかく買った食器洗い機も使わないのはもったいないですよね。
家電製品によってウォーターハンマー現象が発生する場合は、水道業者に相談するといいでしょう。
高層マンションに住んでいる
高層の建物や住居密度が高い建物に住んでいる場合も、ウォーターハンマー現象が起こりやすくなる傾向にあります。
高層マンションや住人が多い建物では、必然的に水道管内の給水量や給水圧力が増えます。
これが、ウォーターハンマー現象が起こりやすくなってしまう原因です。
ウォーターハンマー現象を防止する水撃防止器が劣化している
ウォーターハンマー現象は、水道の使い方や水栓レバーの構造、家電製品、建物のシステムによって引き起こされますが、器具の不具合や故障によって発生することもあります。
ウォーターハンマー現象を防止するために水栓に取り付けて使う水撃防止器(ウォーターハンマー低減器)を使用している方の場合は、この機器の劣化や故障が原因になっている可能性もあるので、確認してみてください。
ウォーターハンマー現象が引き起こすトラブル
ウォーターハンマー現象が起こっていることがわかったら、放置しないように注意してください。
放置してしまうと大きなトラブルにつながる危険があります。
ウォーターハンマー現象が引き起こす主なトラブルについて見ていきましょう。
水漏れの発生
ウォーターハンマー現象は、水道管内の水圧が急激に変わることによって発生します。
この圧力の変動によって起こる振動や衝撃は、水道管にもダメージを与えます。
長年ダメージが蓄積することで排水管の接続部や給水装置などが緩み、そこから水漏れが発生することも。
水道管は壁の中にあり通常は目に見えないので、水漏れが起こっても気が付きにくく被害が大きくなりやすいです。
壁や床から発生した水漏れが隣の部屋や下の部屋にまで広がってしまうというリスクもあるので、ウォーターハンマー現象を確認したら早めに専門の業者に相談しましょう。
音や振動によるご近所トラブル
ウォーターハンマー現象で発生する音や振動は、想像よりもかなり遠くまで伝わっていることがあります。
水道を使用している人は原因がわかっている場合でも、隣の部屋や下の階の住人にとっては原因がわからない騒音が鳴り響いているように聞こえているかもしれません。
特に、深夜の時間帯や寝室近くで水道管の音が鳴り続けると、かなりのストレスを感じるでしょう。
深刻なご近所トラブルにつながる前に、対処するようにしたいですね。
給湯器などのセンサー故障
ウォーターハンマー現象による振動や衝撃に長時間さらされると、水道管につながっている給湯器などの機器のセンサーが故障することもあります。
給湯器の温度が急激に変化してしまう、弁が壊れるなどといった症状が出た場合は、ウォーターハンマー現象が原因かもしれません。
ウォーターハンマー現象を放置してしまうと、機器の故障や水漏れなどを引き起こし、結果的に修理費用が高くなってしまう可能性があるので、水道管から音が聞こえたら、なるべく早めに対処することをおすすめします。
ウォーターハンマー現象の対策方法
ウォーターハンマー現象は使用方法を工夫することで、症状を抑えることができます。
自分でできるウォーターハンマー現象の対策方法についてご説明します。
蛇口をゆっくり締める
自分でできるウォーターハンマー現象対策として一番手軽なのは、蛇口をゆっくりと締めることです。
蛇口の操作を緩やかにすることで、水道管内の水の流れが急激に動くまたは止まることを防げるため、衝撃音や振動も少なくなるでしょう。
ハンドルを回すタイプの蛇口であればゆっくりと回すことも難しくないですが、上下することで水栓を開閉するシングルレバータイプの場合は、ゆっくり操作するのが難しいかもしれません。
水道の元栓をきつめに絞る
ウォーターハンマー現象の発生を防ぎたいのであれば、水道の元栓をきつめに締めるという方法も有効です。
水道の元栓を絞れば水道管内を流れる水の勢いが弱くなるので、全自動洗濯機や食器洗い機を使用しても、急止水した際の水圧変化の差が少なくなります。
しかし、水道の元栓を絞ると使用できる水量も減ってしまうため、シャワーの水圧が弱くなる、給湯器が使用できなくなる、といったことが起こる場合もあるので気をつけてください。
水撃低減器・水撃防止器を取り付ける
水撃防止器(ウォーターハンマー低減器)を取り付けることで衝撃音の発生を抑えることができます。
水撃防止器(ウォーターハンマー低減器)は、水栓のタイプや症状の発生箇所によって機器の種類が異なります。
また、正しく設置することができないと効果が期待できないので、自分で設置することが難しいと感じたら水道業者に相談しましょう。
ウォーターハンマー現象の修理費用はどれくらい?
専門の業者にウォーターハンマー現象の修理を依頼すると費用はどれくらいかかるのでしょうか。
ウォーターハンマー現象の修理内容は主に、水撃防止器の取り付けか水道管の敷き直しの2種類です。
水道管の敷き直しは、水道管に経年劣化が見られる、配管の構造が悪いといった場合に必要になることがあります。
水道管の敷き直しの相場は、建物の構造や必要になる配管の長さによって変わるので一概には言えません。
水撃防止器の取り付けの場合は、15,000〜30,000円が相場です。
まとめ
ウォーターハンマー現象が発生している場合、放置し続けると水漏れや給湯器の故障などのトラブルにつながることがあるのでなるべく早めに対処するようにしましょう。
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